ご覧いただき、ありがとうございます。
ナースヒーロー 西 英雄です。
今回は、といいますか
たまには看護師らしい
記事も書かなければと思い、
「ご飯を食べないおじいちゃんの話」
というテーマで、
お話させていただきます。
看護師であれば、
誰でも食事介助をしたことが
あると思います。
もちろん、介護福祉士さんや
保育士さんもそうかもしれません。
そんな食事介助で
我々が必ずぶち当たる壁。
それが、
「食べてくれない」
起きてくれない
口を開けてくれない
お腹が減ってない
ご飯が美味しくない
姿勢や環境が悪い
トイレに先に行きたい
体調が悪い
etc…
書き出したらキリがありませんよね。
記事の構成に影響が出そうなので
これくらいにしますが・・・
「結局、私たちが考えているのは」
・どうして食べてくれないのだろう
・どうしたら食べてくれるだろう
これに尽きます。
あらゆる可能性を考え、
様々な視点からアプローチして
問題解決を目指します。
こんなことが瞬時に、
そして当たり前のようにできる。
改めて、本当に看護師ってすごいな。
もっと評価されるべきだな。
って、やっぱり思います。
少しそれましたが、
そんな当たり前の
アセスメントの話から、
今回はもう少し、
掘り進めてみます。
先ほど挙げたような、
どんな原因、要因があるにしろ
結局は患者さんが、
この結果を求めて、
私たち看護師はやっていく訳です。
その一つの成功例といいますか、
私が実際に食事介助をしている時、
ふと感じた出来事を
お話しさせていただきます。
私がその日、受け持っていた方は
病状としては、安定しまくっている患者さん。
男性で、歳は分かりませんが
おじいちゃん。
おじいさん、といよりは
おじいちゃん笑
点滴も酸素もしてないし、
姿勢を起こしてしんどく
なることもありません。
食事に集中できない訳ではないし
頑張れば自分でも食べられるでしょう。
しかし、食欲もなく食事が進まず
決して動作もスムーズではないので、
食事介助を必要としていました。
その時もやっぱり
食べないんですよね。
分かってはいましたが・・・
期待通りに夕食は
すぐに終わってしまい、
私は下膳をしながら何気なく、
おじいちゃんと話をすることにしました。
「〇〇さんはどこから来たの?」
コミュニケーションに
障害の無いおじいちゃんは、
聞かれたことに対しては
しっかり答えてくれます。
そして、少し自分の事を
話してくれました。
おじいちゃんは、
施設から来たのだと。
施設は1階と2階に
分かれているだとか、
夜勤者は4人だとか、
施設のご飯はイマイチだとか・・・
結局、前の施設は
良いところだったみたいで
戻りたいということでした。
そんな話を、「そうだねー」
なんて言いながら、
流れるように聞きいて終わりました。
・・・そして翌朝の朝食。
いつものように
食事介の準備をしていると、
おじいちゃんは言いました。
今までの食事では、お粥を
スプーン数口で終了していましたが、
その日の朝は、
4割程食べました。
決して、お腹が空いていた訳でも
ご飯が美味しくなった訳でもありません。
何より、私は何も言ってません。
ご飯が食べられるようになったら
施設に帰れるね。とか、
早く施設に帰るためには、
ご飯食べないとね。とか。
おじいちゃんに、
ご飯を食べさせようとする行動を
私は何もしなかったのです。
その様な声かけを
私たちはよくしますが、
本当に、何もしませんでした。
(しないのもある意味どうなんだ・・)
そしてその日から、おじいちゃんは
ご飯を食べるようになりました。
さらに状況は好転し、
おじいちゃんの
好みに合わせて塩を追加したり
卵豆腐をつけてみたり。
食事内容を調整することで、
摂取量はどんどん増していきました。
全く食べなかった副食も、
食べるようになりました。
一度物事が良い方向に進むと、
どんどん上手くいくことは
なんとなくお分りだと思いますが、
何かキッカケを
掴んだということですね。
おじいちゃんの場合、
心の底から「ご飯を食べる」
という意志が行動に現れたのです。
キッカケが、あの会話だったのか
どうかは分かりません。
というか、そこは今回
あまり重要ではなく、
重要なのは、おじいちゃんが
ということ。
誰でも、自分の中に
行動の原動力を持っているということです。
誰かにやらされる、
助けてもらってできるようになる。
もちろん、
それもよくあります。
しかし最終的には、
「自分の行動は自分の意志から現れるもの」
そんなことに気付いた出来事でした。
私たち看護師にできることは、
「医療の知識に基づいた高度な診療の補助と、
患者さんの意志を支援する療養上のお世話」
この2つだなと。
自分の中で、看護の定義が更新されたので
この場を借りてお話しさせていただきました。
そして改めて、
このような経験、感情の変化を実感できる
看護の世界は良いところだと・・・
いかがだったでしょうか。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。
結局、看護もネットビジネスも、
仕事もプライベートも一緒なのです。
おじいちゃんが心の底から
ご飯を食べるという行動を選択した様に、
お客さんも、この商品を買うという
行動を自分で選択したり。
この人と一緒にいたい、付き合いたい
と思って勇気を振り絞って告白する。
人は自分の意志で行動する。
それは、どんな状況においても
事実なんですが、
働きかけることもできる。
ということも、
また事実なのです。
看護師としておじいちゃんに
働きかけられる様に、
セールスマンとして、お客さんに
働きかけることもできます。
それができる人は、物も売れるし
営業成績も伸びることでしょう。
好きな異性や恋人の意志に対して、
働きかけたりすることもできます。
それができる人は、相手にとって
魅力的な存在となり、結果として
好きになってもらえたり、モテる訳です。
相手を本当に理解する。
究極それは、完全に相手と同一人物に
ならなければいけないので不可能ですが、
相手への理解、その差や
ズレが小さければ小さい程、
自分にもたらす結果は大きいものになる。
それがビジネスなら莫大な利益を生み、
それが恋愛なら理想の相手を見つけられる。
それが看護なら・・・
ココが明確に出て来ないのが、
私が今の看護界に、
物足りなさを感じている
部分なのかもしれません笑
かなり長い文章に
なってしまいましたが、
本当に最後まで読んでくださり
感謝いたします。
コメントなども、
是非いただけたら嬉しいです。
必ず拝読して、
返信させていただきます。
最後に、関連記事と言いますか
今回とはまた違った視点で、
看護を考えてみました。
是非、こちらの記事も
読んでいただけたら幸いです。
→看護師の知識、技術が多くの人に広まる新時代
ありがとうございました。